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Archive for 2010年3月

貿易統計に見えるもの(大賞受賞者と北朝鮮との関わり その2)

前回の件に関して様々な資料を調べているときに興味深いものを見つけた。

それは、正規の手続きで輸入しているとする常盤村養鶏の話通りであれば、中国からの輸入実績が存在するはずである。そこで税関のWebサイトで調べてみた時に発見したものである。

そのページにある財務省貿易統計では、そのすべてが常盤村養鶏の輸入ではないかもしれないが、2002年まで中国からの飼料用トウモロコシが青森港に輸入されていて、そののち八戸港に移り、2007年まで続いていたようである(2008年以降両港への陸揚げは無い模様)。

これを見る限り、確かに中国からの輸入はあるようだ。しかし同時にこの統計を見ていて気になったことがある。それは2006年の輸入量が2005年の3割以下、具体的には、30,612トンが8,818トンにまで減ったことである。何かしらの関係があるかと調べてみるとこの年(2006年)は、ミサイル発射事件があり、それを受けて7月5日から万景峰号の入港禁止。その後の核実験により10月14日から北朝鮮籍船の入港禁止や北朝鮮からの輸入禁止との経済制裁(特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法(平成16年6月18日法律第125号))が始まった年であった。

それらを勘案するとこの減少は、2006年までは北朝鮮経由のルートが健在であった可能性を示唆しているような気がする。なぜなら上記経済制裁が始まった7月から以降11月までの間、一切陸揚げされていないこと。もし輸出元が中国で直輸入しているのなら経済制裁の影響を受けるはずはなく、もし輸送していたのが前回書いた通りのルートとすれば、北朝鮮船籍の入港禁止と考え合わせて減少の原因として合点がいく。

しかし残念なことに輸入が止まった理由と北朝鮮との因果関係を示す資料は今のところ発見できていない。ただ社団法人中央畜産会の2006年12月の情報では、

中国国家糧油信息中心によると2006年の小麦およびトウモロコシの生産状況は、作付面積・生産量ともに2005年を上回り、特にトウモロコシの生産量は、前年を約163万トン上回る1億4千1百万トンと予測され、昨年に引き続き最高記録を更新する見込みとなった。

とのことから少なくても中国関連ではなさそうである。それは、2006年1月から6月までは中国からの輸入実績があることからも間違いはないだろう。

なお、2007年には17,819トンと再開していることからこの時期にルートの変更を行ったのではないかと推測する(2006年12月からの可能性もあり)。ちなみに2003年は42,882トン。2004年は39,296トンとなっている。(数値は「財務省貿易統計:税関別国別品別表」より)

現在も外国為替及び外国貿易法(北朝鮮を原産地又は船積地域とする全ての貨物について、引き続き、経済産業大臣の輸入承認義務を課すことにより、輸入を禁止する(第52条))が再延長されたのでこのルートは使えない。

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